終活とは?終活で成し遂げたいこととは?
『終活』という言葉は、人生の終わりのための活動というイメージをしがちです。
確かに、葬儀のことやお墓のことなども決めていきますのでその一面もあります。
ところが、『終活』を始めた皆さんからは、理想の終わり方を決めた結果、そこまでの人生が明るく、楽しみなものになり、気分が晴れやかになったという感想を聞くことが出来ます。
これが、筆者が『終活』は今すぐ始めたほうが良い、と皆さんに伝えている理由です。
これからの人生が明るく楽しくなる訳ですから、一刻も早く取り組んだ方が良いと思いませんか?皆さんの人生を、一刻も早く見通しが効いた人生に整えて欲しいと考えています。
前回のコラムで、終活の概要をお伝えしました。今回は、前回挙げた項目をより深くお伝えする事で、「終活で人生を整える」ための具体的な流れや取組を具体的にみていきましょう。
人生を整える終活の流れ
過去を振り返り人生の棚卸を行う
ご自身の歴史を振り返ってみましょう。
- 幼少期から学生時代の経歴や思い出。
- 社会人になってからの職歴や思い出。
- 家族の思い出。
- 住んでいた場所や、旅行先など。
今までの人生で培ってきたものが棚に乗っていると思います。それぞれの棚に何が乗っているかを確認してみます。 この様に一度自分史を振り返ってみると、感謝の気持ちや会いたい人行きたい場所などが湧き出てきて、今後の人生の楽しみが増えるかもしれません。
現在のご自身のことを確認してみる
- 収入のこと
- 給与や年金など、現在の収入を確認します。
- 貯蓄のこと
- 現在の貯蓄の総額を把握します。
- 銀行口座等の洗い出しにより、全体像を明らかにします。(不要な口座があれば整理します)
- 定期的な支払のこと
- 口座引き落としを把握します。家賃、住宅ローン、電気代等生活に関わる引落はもちろんの事、サブスクと呼ばれるサービスなど、定期的に引き落とされているものを確認します。
- 不動産や有価証券等のこと
- 所有している不動産の確認をします。もれなく確認する事が重要です。有価証券やその他金融資産も確認しておきます。
- 借入金等負の財産があれば、それも明らかにしておきます。
- 保険のこと
- 保障内容の点検
- 本当に必要な保障と現状の内容にギャップがないかを下記ポイントを確認します。保障の過不足を確認します不要な保障は整理し、不足している部分があれば整備していきます。
- いくら、いつまで保障されているか?解約返戻金の有無とその水準。保険金の受取人は誰ですか?(特に再確認が重要です)保険会社のカスタマーセンターや担当代理店など、いざという時の連絡先を明確に。
- 医療保険・がん保険について
- ご自身のイメージと保障内容が合っているかの確認。
- いつまでの保障かの確認
- 保障内容の点検
もしもの時の理想の対応方法を考えてみる
ご自身の身にもしもの事があった場合、どのような対応を理想とするかを考えてみます。
特にご自身の意思が示せない事態になってしまった場合に重要な情報になります。周囲の方が困らないようにすることは勿論ですが、ご自身が描いた理想の通りの対応が可能となります。
- からだのことついて
- 健康保険の情報やかかりつけのお医者様、処方されているお薬など。
- 認知症や介護状態になってしまった時
- 介護してほしい場所や介護をしてほしい人準備済みの費用のこと
- 後見人や代理人等財産管理を依頼している人
- 延命措置や臓器提供の希望
- ペットの今後を託したい人
- 万が一亡くなった場合のこと
- 葬儀や埋葬、お墓や納骨の希望。墓守を頼める人がいるか?など。
- その後の供養や法要のこと
- ご自身の財産をどのように分けてほしいか
- 理想の遺産分割方法とは
- 揉めない相続にするためにしておくべきことは?
これからの人生を想い描き計画してみる
ここまでで、人生の棚卸から現在の立ち位置の確認、更にもしもの時の理想の対応方法を決めました。これでひと安心ですね。
あとは、これからの人生をいかに楽しむかの計画を立てたら終活の完成です。
ここまでまとめたことを元にライフプランを設計します。
- 生活の収支について
- 現在の資産状況と、今後の見込める収入をもとに今後の状況を予測します。今後の生活を描き、支出の確認をしていきます。
- 収支のバランスが確認できます。
- 今後のライフイベントを想い描いてみましょう
- 自動車や住まい等大きな支出のこと。いつ頃いくらくらいかかるかを計画します。
- ライフプランでわかること
- 描いた生活での収支バランスを確認できる。収支の面から見た、何歳まで働けば良いかの目安になる。大きな買い物をしたとしても、その後の生活は大丈夫かどうかの判断材料になる。将来を見据えた資産運用をする必要性。その時期や金額の目安を確認できる。相続財産の確認。相続税の目安や相続人への遺し方の検討。
- 高齢者施設入所に必要な資金は確保できるか?
等々様々な事が判ります。
ライフプランが完成するころになると、いよいよ人生の視界が良好となり、気持ちも晴れやかに今後の人生を前向きにとらえることができる様になります。
ライフプランはまさに、人生の羅針盤であると言えます。
以上が「自分らしい人生」を終活で整える手順です。この様な手順で進めていくことで、人生が整っていきます。
【エンディングノートでまとめましょう】
人生を整えるための終活ですが、考えなければならないことが沢山あり、頭の中で考えていてもまとめるのが大変ですよね。
そこで、活躍するのがエンディングノートです。
エンディングノートとは、人生の棚卸からもしもの時のことまでを項目ごとに書き記すことが出来るノートのことです。エンディングノートは、様々の種類が市販されていますし、ご自身で作ってもいいとは思いますが、必要項目も多いので、出来合いのものでフィーリングが合うものを選択されることをお勧めします。
弊社でも終活のサポートを実施しており、セミナー等も開催しておりますが、その際お勧めし活用しているのが日本法令®さんの「終活・相続の便利帳」(写真)です。
分かりやすく、必要項目だけではなく周辺知識も習得できる作りになっております。
筆者は、「一橋香織の笑顔相続道®」で、終活・相続のことを深く学び、「笑顔相続サロン®静岡」の代表として相続・終活のコンサルティングをしております。
「終活・相続の便利帳」は、筆者の師匠でもあり笑顔相続サロン®一橋代表の著書で、当サロンも紹介をしていただいております。使いやすいので、もしよかったら候補の一つとして確認してみてください。
本コラムを最後まで読んでいただきありがとうございました。
「終活」に取り組むことで、人生が整う理由がわかっていただけましたでしょうか?
「終活」は人生の終わりのための活動だけではないということ
「終活」により、今後の人生が整い、前向きな気持ちになれそうだということ
「終活」は、なるべく早く取り組むべきであるということこの理由がお伝えできていたら嬉しいです。
このコラムがひとりでも多くの方の目に留まり、前向きに、すぐ「終活」に取り掛かるきっかけとなることを望んでおります。
ありがとうございました。
栗原久人
笑顔相続サロン®静岡代表
FP事務所 LP想暖や代表
保険代理店 有限会社シー・フィールド代表取締役
上級相続診断士・終活カウンセラー・ファイナンシャルプランナー(AFP)生前整理カウンセラー・住宅ローンアドバイザーファイナンシャルプランナー歴・保険代理店経営歴共に20年、ライフプランや家計の見直し等の相談件数は2000件以上。
2019年笑顔相続サロン®静岡を開設 特に相続診断士×ファイナンシャルプランナー×終活カウンセラーの要素を活かした、終活+生前+相続のトータル対策を得意としている。
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